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続・龍馬伝 (34)宮古湾海戦 


龍馬伝第4部タイトル(雲の


箱館の春。
厳冬を過ぎれば、箱館にも命が芽生え始めます。
緑の大地が顔を出し、蝦夷は生き返るのです。


同時に、榎本の夢も、生き返る。
このまま暖かくなってゆき、蝦夷の大地が緑に包まれれば、待望の開拓が始まる。
今は小さな存在である蝦夷共和国が、大きくなってゆく。
それは、小さなアメリカが東へ東へと開拓を進め、やがて反対側の大洋に到達し、大きな国家へと成長していたのにも似ているように榎本には思えた。


Frontier Spirit(開拓者精神)


彼はこの言葉を何よりも大切にし、未来を切り開いてゆく理想に燃えていました。



そして、そのためには、薩長新政府との戦はもはや避けられない。
開陽を失った蝦夷共和国とは対照的に、薩長は本州北端までを完全に支配下に入れ、イギリス・フランス・アメリカなどの「日本を代表する政府」の承認を取り付けていました。
これにより、一時は明治政府と同等の独立政府であることを認められていた榎本らは、日本に対する反乱軍という位置づけに限りになく近づいてしまったのです。

最後の反乱分子を鎮圧すべく、蝦夷攻略に乗り出した明治新政府。
蝦夷の雪解けを待って、いよいよ軍艦を出航させます。






3月。
薩長新政府艦隊、品川を出航―
旗艦・甲鉄。



甲鉄
(『日本テレビ年末時代劇スペシャル「五稜郭」』より)



五稜郭に緊張が漂います。
榎本が、迫り来る艦隊に対してどう出るか、軍議を開いたのです。

最大の障壁が甲鉄であることは、誰の目にも明らかでした。
敵方、味方方、いずれの軍艦と比べても群を抜く、抜群の攻撃力と防御力を兼ね備え、ひとたびその砲門が火を噴けば、榎本艦隊なぞ数刻のうちに海の藻屑と消えてしまう。
海上艦隊戦についての実戦経験の少ない両軍にとっては、火力差こそが全てだったのです。

重苦しい雰囲気の中、ひとりの男が言葉を発します。
回天艦長・甲賀源吾(こうが・げんご)。
榎本海軍髄一の、大胆な精神力の持ち主です。
彼が立案した作戦は、誰も想像できなかった、奇策中の奇策というべきものでした。


Abordage(接舷攻撃)


かつて大砲というものがこの世にまだなかった頃、水軍同士の戦いは、船の舳先を相手船の横っ腹にぶつけ、相手の船に斬り込んで戦っていた。
飛び道具の発達、特に大砲の発明によって、そのような無謀な戦い方は息をひそめ、艦砲射撃の応酬へと戦いは変わってきました。

しかし、砲撃戦での分が悪い榎本艦隊は、あえてこの原始的な戦法を用いるべきだと甲賀は言うのです。
戦法としてはあるものの、西洋でもほとんど例がない体当たり攻撃。
甲賀の真の狙いは、甲鉄艦を無力化するだけでなく、この艦を奪い取ってしまうところにありました。


甲鉄をわが艦隊の一部とする。
敵の拠点を攻撃するためではない。
箱館の街を、港を。蝦夷共和国を守るために運用するのだ。

甲鉄を中心とし、周囲の艦隊がそれを援護するように軍艦を展開させれば、箱館は鉄の壁で覆われたも同様である。
榎本総裁の、蝦夷共和国みんなの志を護る。
甲鉄を、蝦夷の守護神とするのだ。



アボルダージュ。
その名称すら知られていない、未知の作戦。
しかし、甲賀のこの作戦がもし的中すれば、戦況は一変する。
大胆かつ奇抜、しかし行う価値のある作戦。
榎本は、その決行を決意します。



【第34回】宮古湾海戦



3月20日。
回天、蟠竜、高雄の3隻の特攻隊が、密かに箱館を出港します。
目指すは、宮古湾。
薩長新政府艦隊が、そして甲鉄が、そこに集結している筈でした。



海。
再度の出航。


…しかし、ここでも、海は榎本艦隊の行く手をさえぎります。
あたかも、天が蝦夷共和国の樹立を拒んでいるかのように…

宮古湾に向かって航行中、突然に怒涛逆巻く荒天となり、海が荒れ狂います。
3隻をつなぐ綱が切れ、蟠竜が行方不明になったのち、ようやく海が静まったと思えば、今度は高雄が動かなくなってしまうトラブルが発生したのです。
それでも、この作戦に蝦夷の運命を託された甲賀はじめ乗組員は、回天単独での作戦を決行せざるを得ませんでした。



アボルダージュの時も嵐
(『日本テレビ年末時代劇スペシャル「五稜郭」』より)



アメリカ国旗を掲げ、勇敢に宮古湾に侵入した回天。
甲鉄を発見するや、その左舷に激しく体当たりを食らわせます。
体当たりが先か、旗が変わっていたのが先か。
とにかくこの時には、回天の国籍を偽装していたアメリカ国旗はいつの間にか日章旗に代わっており、回天の砲門は至近距離での砲撃を繰り返し、斬り込み隊が甲鉄に乗り込もうとしていたのです。



アボルダージュ
(『日本テレビ年末時代劇スペシャル「五稜郭」』より)



成功するはずでした。
いや、成功させなければならなかった。


…しかし、成功するはずはなかった。


本来は援護に回るはずであった回天を無理やり接舷させた弱点が無残にも露呈。
回天は外輪船であり、左右についた巨大ないぼのような外輪が邪魔をして、甲鉄の横に平行して接舷させることができなかったのです。
そのため船首のみが甲鉄の左舷に接舷した形となり、回天の船首が浮き、甲鉄との間に高低差が生まれてしまったのでした。

3メートル下に見える、甲鉄の甲板。
それでも斬り込み部隊は死ぬ気で3メートル下の甲鉄めがけて落下していったのですが、すべてが想定外の出来事に、斬り込み部隊は戸惑い、甲鉄を占拠できないばかりか、甲鉄のガトリング砲や周りの敵艦隊に狙い撃ちされ、次々と命を落としてゆきます。




作戦継続は、もはや不可能。
このままでは、甲鉄の補足どころか、この回天が逆に敵に補足されてしまう。
そう悟った甲賀は、撤退命令を出さざる得ませんでした。
そして、その甲賀も…

この戦いで榎本軍は、作戦の立案者でもあった甲賀源吾を失います。
優秀な指揮官がまたひとり死に、蝦夷共和国は、皮肉なことに、さらに追い詰められる結果となってしまったのです。





(主な参考資料)
箱館戦争―北の大地に散ったサムライたち
幕末史(半藤一利著)
図説・幕末戊辰西南戦争―決定版 (歴史群像シリーズ)
一冊でわかるイラストでわかる図解幕末・維新―地図・写真を駆使 超ビジュアル100テーマ オールカラー (SEIBIDO MOOK)



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