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「獄に咲く花」感想


獄に咲く花(公式サイトより)500
(『「獄に咲く花」公式サイト』より)


「獄に咲く花」


「獄」と書いて「ひとや」と読むのですね。
昨年公開された映画です。
原作本のタイトルは『吉田松陰の恋』(古川薫著)

物語の内容としては、原作本のタイトルの方が分かりやすいと思います。
ブログ読者の方から教えてもらい、この映画のことを知り、今回見ることになりました。
以下、ネタバレを極力抑えながら、書いてゆきたいと思います。

________________________________________________________


そうですね…
正直、見る前の印象としては、あまり良くありませんでした。
「恋だの何だのって、どうせ、歴史上の人物に恋物語をやらせてみたってことでしょ?」的な感じで思っていたんです。
ネットの評判でも「もっと吉田松陰の業績を取り上げてもらえたら良かった」という声もありましたし。


実際、その通りでした(笑)
ただ、恋といってもどこかの大河ドラマであるような、何もかもセリフで言わせるようなそんな下品なものではなく、俳優さんの演技で微妙な感情の揺れを表現するような、日本人らしい映像表現でした。
これについては、相手役の近衛はなさんの演技力が光っていたと思います。

それと、上に書いたネットでのいち批評について。
確かに、吉田松陰の業績は、ある程度知っていることが前提になっていたかと思います。
ただ、彼の言葉の端々から彼の情熱が伝わってきて、決して「恋物語に終始して、吉田松陰の人物像が描けていない」ということはなかったと思います。
むしろ、獄中にあってなおも国家を憂い行動を起こそうとする、力強い吉田松陰がキチンと描けていたと僕は思います。

まあ、そのそも期待値が低かったので、そのギャップが良かった。

イヤ、本当にいい映画でしたよ。
僕は、今はやりの3Dとかなんとかの映像と音楽に頼り切る映画より、こういう地味だけど、ひとつのことをまじめに描き切る映画の方が好きですね。





にっこり笑う吉田寅次郎



物語は、吉田寅次郎(松陰)が「野山獄」といわれる長州萩の牢獄に入れられることから始まります。
監獄の中での物語ですから、暗くじめじめした物語をイメージしがちですが、この映画、意外に明るいんです。
その一番の要素が、寅次郎の子供のように無邪気な言動。

だいたい、牢屋に入れられる時はみんな暗い顔をしているようなものですよね。
寅次郎は、最初から上の笑顔ですから。
そして、囚人に大きな声であいさつをして回る。
このあたり、最初から(いい意味で)拍子抜けしてしまう始まり方をする映画なのですが、彼の明るさの理由は、やがて分かってきます。


「自分は、自らの信念に従って行動したまで。
 恥じることは何ひとつしていない」



国家を想い、未来を信じ、あくまでも自分の信念を貫こうとする寅次郎。
牢獄というマイナスイメージの中で、また、囚人たちがもつ倦怠感や絶望感の中でこそ、その姿が目立つんですよね。
「牢獄の中での生活なんて、見ていておもしろいのかな?」とはじめは思っていましたが、希望を失った囚人たちと、決して希望を失わない寅次郎の対比がすばらしく、またこの後に展開される寅次郎と囚人たちの交流を通し、彼らが虎次郎に影響されてゆく姿が見ていて微笑ましく、いいところに目を付けた映画だと思いました。


…あ、言い忘れましたが、「野山獄」とは、藩士のための牢獄で、囚人たちは獄舎内を自由に行き来できたんです。
つまり、ある程度の自由は担保されていた牢獄だったんですね。
こんな感じです。(牢獄内の風景です)
…ただし刑期満了の基準はなく、言うなれば生殺しで藩に飼われているような状態だったんですね。


野山獄の風景






これ以上突っ込むと「ネタバレ注意」になりますので、この辺にしておきます。

まとめると、良くも悪くもシンプルな映画だと思います。
音楽はひとんどひとつの曲に統一されていますし、全体的に静かな感じです。
セリフも少なく、物語の進行もゆっくりですので、ぼーっと見ていても十分に理解できます。
そして、唐突に妙な古風メロドラマっぽい演出が入るので、びっくりします。


メロドラマ演出



不自然にスローモーションになるんですよ、ここだけ。
こういうシーン、2、3ヶ所ほどあるのですが、だいたい、ふたりの恋が進展する(?)重要なシーンと思われるところに出現します。
このドラマのウリらしく、予告編でももれなく入っていましたね。
ただ僕は、こういうあからさまな見せ場も排除してあくまで淡々と描き切ったほうが、より切なさを訴えることができたのではないかと、そこは残念に感じました。




吉田松陰といえば、ふたつの有名なことがありますよね。
ひとつは、黒船に密航しようとしたこと。
もうひとつは、松下村塾を開いたこと。

今回の物語は、その間と、その後に彼が経験した獄中生活がメインになっています。
牢獄に入れられてなお信念を曲げなかった松陰の姿は、自分にとってはまばゆいばかりの存在に見えました。
彼を仰ぎ見る牢獄の囚人のひとりになったような気分で、この映画を自分は見終えました。


ご興味を持たれ方は、ぜひご覧になって下さい。






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こんばんは~

2011/08/17(Wed)00:23

「獄に咲く花」の感想をアップしてくださってありがとうございます。
肝心の私はまだ見ていなくて…

近くの大きなレンタル店には置いてなくて、店員さんにも聞いて調べてもらったんですけどなくて、私がお気に入りに入れている動画館にもなくて…

ツタヤのネットで宅配も面倒くさいし、かといって店舗に行くのも家からじゃ駅の向こうなんでメンドクサ~と思ってネットを見ていたら店舗に在庫があるらしく、そう言えば確か娘はツタヤで借りていたはず…で!娘に借りてくるように頼みました^_^;

獄中の吉田松陰を描いているものって今まであまり記憶が無いので私も見てみたいです。
またDVDを見たらコメントを入れに来ますね。

ここでまた余談なんですけど(笑)
TV-Rocker様って大阪でしたよね。
テレビ大阪の「開運なんでも鑑定団」とかご覧になったことがありますか?
私はけっこう歴史のお勉強もできて好きなんですが、鑑定される物に対しての時代背景などを解説してくれるんですよ。

今日は「勝海舟」の書が出されていたんですが本物で鑑定額200万円でした。
まさに戊辰戦争のときに書かれていた詩だそうで、江戸城無血開城を目指す勝海舟の精神がよく表れている書だそうです。

歴史つながりで…ちょっと余談で失礼しました。

名前:エム (URL編集

Re: こんばんは~

2011/08/17(Wed)23:15

> 「獄に咲く花」の感想をアップしてくださってありがとうございます。
> 肝心の私はまだ見ていなくて…

いえいえ。
たぶんまだ見ていないだろうなと思ったので、あえて具体的な中身に触れるのは避けて書きました(^_^;)


> ここでまた余談なんですけど(笑)
> TV-Rocker様って大阪でしたよね。
> テレビ大阪の「開運なんでも鑑定団」とかご覧になったことがありますか?
> 私はけっこう歴史のお勉強もできて好きなんですが、鑑定される物に対しての時代背景などを解説してくれるんですよ。
>

何気にTVを付けていてちらっと見たことはありますけど、しっかりと見たことはないです。
番組の存在自体は知っていましたよ。
…僕は少し変わっていて、歴史的な事件やその背景にある思想や考え方には興味があるのですが、モノや遺跡のようなものにはそこまでの興味がわかないんですね。
でも、鑑定物を通して、歴史的な解説をしてくれるのはいいですね。
機会があれば、しっかり見てみようと思います。ありがとうございました!

名前:TV-Rocker (URL) 編集

こんにちは~

2011/08/24(Wed)16:19

「獄に咲く花」やっと観ましたよ~
観てよかった~(笑)
地味だけどこういうの好きです。

原作が「吉田松陰の恋」ですから、私も恋愛に重点を置いている映画なのかな~と最初は思っていましたから。

でもTV-Rocker様も仰っているように、獄中にあってもなお国家の事を憂い熱く語っていますよね。
公式HPの画像がなんだか暗いイメージなのでどうしてもジメジメした感じの先入観がありましたが、全然違いましたね。とても明るい入り方で音楽も軽快なメロディーが流れてるし、辛さ悲しさをあまり前面に押し出していないのが良いかな~と思いました。松蔭が頭を打ち付ける場面とかはありましたけどね。

全体的に明るく描いているので良い意味でイメージとは違うギャップが良かったです。

私も雪が降っているスローモーションの場面、なくても十分良い作品だと思いますけど。

名前:エム (URL編集

Re: こんにちは~

2011/08/25(Thu)01:37

> 「獄に咲く花」やっと観ましたよ~
> 観てよかった~(笑)
> 地味だけどこういうの好きです。

いい映画ですよね。
「吉田松陰のことを本当に好きな人たちが作ったんだろうな」と思えるような、味のある映画でした。


> でもTV-Rocker様も仰っているように、獄中にあってもなお国家の事を憂い熱く語っていますよね。
> 公式HPの画像がなんだか暗いイメージなのでどうしてもジメジメした感じの先入観がありましたが、全然違いましたね。とても明るい入り方で音楽も軽快なメロディーが流れてるし、辛さ悲しさをあまり前面に押し出していないのが良いかな~と思いました。松蔭が頭を打ち付ける場面とかはありましたけどね。
> 全体的に明るく描いているので良い意味でイメージとは違うギャップが良かったです。

そう!獄中にあってなお明るさや熱意を忘れない彼の姿が光っていました。
暗く絶望に沈んでいる罪人(=自分も、あのような境遇に立たされたら必ずそうなるだろう、自分の代弁者)との対比がすごく良かったと思います。


> 私も雪が降っているスローモーションの場面、なくても十分良い作品だと思いますけど。

あれは監督の趣味というか、思い入れなんでしょうか?
まあ、全体が良かったので、些細なことではありますけどね。

名前:TV-Rocker (URL) 編集

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