江~姫たちの戦国~ 第2話「父の仇」感想
良くも悪くも、
仰天ストーリー

でした。
『大河ドラマ』と銘打ってなかったら、NHK土曜時代劇か、民放のフィクション系時代劇か、まったく区別つかないです。
まあ、さすがにここまで飛躍してくれたら、「江が、夜ひとりで信長に会いに行った」なんて史実だと信じる人はさすがにいないでしょうから、その点では安心できますけどね。
ここで、ひとつ訂正があります。
第1話「湖国の姫」で、『江』の見方として僕は「戦国サイドストーリーとして見るのが吉」と書きました。
言い換えれば、つまりこういうことです。
信長・秀吉・家康といった戦国の覇者たちを主人公にしたストーリーを
「戦国史の本流」
だとすれば、江のように歴史に翻弄されながら三雄の時代を生きてきた人間を主人公としたストーリーは、
「戦国史の傍流」
のようなもの。
本流に対し、その支流や傍流(ぼうりゅう)のように、本流から派生したサイドストーリー。
『江』を、そういったものととらえていましたが…
今回と、次回の予告を見て、少し旗色が悪くなってきました。
これはもはや、ただの傍流どころではない。
「戦国史の人口河川」

というべきシロモノです。
現代人の視聴者が感情移入しやすいように、現代版の物語を1から作り上げようとしている。
そうですよね?田渕さん。
自然の姉川の本流や支流に加えて、アユを増やすために鉄とコンクリートを使って1から作られた姉川人工河川を連想させます。(奇しくも、物語が姉川のある北近江であるのが皮肉ですね)
それでも、傍流だからまだ許せる。
これが本流の流れを変えるストーリー(たとえば、浅井長政は実は生きていた、とか)なら僕は許しませんが、歴史の本流に影響を与えない範囲での創作ならば、純粋に「その物語としてのおもしろさ」だけを評価するとします。
それでも、今までの大河ドラマとは明らかに方向性が違うんだから、50作目でキリがいいんだし「新・大河ドラマ」など名前を変えたほうがいいんじゃないかなぁ…
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…と、今回も本題に入る前にいろいろ書いてしまいました。
感想に入りましょう。
気になるシーンをいくつかあげると…

江にとって、あのような形で真実を知るのは嫌だったでしょうね。
母や姉から聞かされるのならまだしも、登城した先の伯父・信長の前で家臣によって真実を暴露されたわけですから。
「なんで今まで教えてくれなかったの!」と母に怒りをぶつけたくなる気持ちは分かりますし、それを傍で聞いている茶々・初の苛立ちも分かるような気がします。
三姉妹の年齢をあえて出さなかったのは、俳優の年齢差に加え、演技の内容そのものが10才前後の子供のイメージとあまりにもかけ離れていたからでしょうか。
この後の、江がひとりで信長の元に行った時の落ち着きぶりといい、とても10才足らずの子供とは思えません。

トヨエツ信長様は良かったですね。
前回「あまり威圧感がない」と書きましたが、今回は威圧感バリバリでした。
特に、この秀吉が殴られるシーン。
秀吉は相変わらずあまり信長を恐れていませんでしたが(天然という設定なのか?)、周りの人間が止めたくても信長を恐れて誰も何も言えないという、こういったところに信長への恐怖が感じ取られました。
秀吉は、その後もケロッとしていましたが…そういう役回りなのでしょう。
のちの太閤にまでどう成長するかの過程も楽しみですね。

あと…最初だから仕方ないのかもしれませんが、市と浅井三姉妹、なんか演技がカタイゾ。
市はポーカーフェイスの役なので、まだあれでいいのかも知れませんが、浅井三姉妹は、目の前で人が殴られたり、信長に槍を付きつけられたりと大事件が起きたにしては反応が薄すぎ。
いくら乱世で揉まれてきた人間とはいえ、10才前後の子どもがそんな反応するか??
やっぱり、信長が死ぬまでは、子役を立てたほうが良かったんじゃないの?
貝を取り合ったり母に泣きついてみたり、そんなところだけ少女っぽくされても、あとの演技がそれっぽくなれければ見ている側としてものすごく不自然になります。
今日の三姉妹は「年齢不詳の謎の人物」オーラをぷんぷん出していましたよ。
人工河川は悠々と流れ、第3話につづく…
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