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「坂雲」第3話解説~日清戦争勃発まで~


日清戦争


日本が経験した、明治になって初めての本格的な対外戦争。


日清戦争とは、なにか。
僕的に分りやすいたとえで述べるとすると、


『2人の男性(日本と清)が、1人の女性(朝鮮)を巡って争った、カノジョ争奪戦』


カノジョ争奪戦2



戦争に至るまでの背景が少しややこしい日清戦争ですが、清国・日本・朝鮮の関係をこのように考えると意外にスッキリするのですヨ。
さて、順を追ってゆきましょう。



(1)当時、朝鮮は清のカノジョだった

今のカップルは女性の方が強い傾向にあるようですが(?)、ここでのカノジョは「おとなしく、カレシの言うことに素直に従う女性」ということにしておいて下さい。
清と朝鮮は、付き合ってはいるが結婚はしていない。つまり、財布もバラバラ、生活もお互いに独立している。ただ、カノジョ(朝鮮)はカレシ(清)の言うことには素直に従う。

この関係を「清は、朝鮮の宗主国である」と言います。

清国人清は、カレシ=宗主国

朝鮮jpg朝鮮は、カノジョ=属国


清が朝鮮を完全に植民地化して、内政から何から何まで支配してしまうのではなく、朝鮮にもある程度の自治を認める。ただし、朝鮮国家としての重要な政策(外交問題など)は、清の許しなく勝手に決めてはいけないですよ、と釘を刺す。
こういった関係です。



(2)日本は、朝鮮をナンパしようとした


朝鮮はその当時、鎖国状態で、清以外の国と付き合おうとしなかったのですが、日本はそこに割って入ろうとした。朝鮮に迫り、強引に開国させます。

日本人日本
「清だけじゃなく、オレとも付き合おうぜ」

かつて江戸幕府が黒船によって開国させられ、日米修好通商条約を結ばされたのと同じことを朝鮮に対してやったわけです。

日本が朝鮮を狙ったのは、いくつか理由がありますが、主な理由はみっつです。
ひとつは「坂の上の雲」であるような国防上の理由、あとふたつは、切迫した経済事情からです。

1.紡績の原料となる綿の栽培地として有望である
紡績業は当時の日本の主要産業で、その原材料(=綿)の確保が日本の輸出拡大にとっては死活問題でした。特にアジア圏で紡績の商売敵となる英米との競争に打ち勝つには、原材料を安価で安定的に供給できる場所の確保が最大のポイントとなり、朝鮮に白羽の矢が立った。

2.食料の安価供給地として有望である
生活費の大部分を占める主食費が安くつけば、それだけ安い賃金で働いてくれる人が増えることになります。
低賃金労働者を拡大させるためにも、日本の米価よりはるかに安く上がる朝鮮米は喉から手が出るほど欲しかったのです。


そういった理由から、なんとしても、朝鮮を清国から別れされ、自分のカノジョにしたい日本。
2つの事件を利用して、朝鮮に近づいてゆきます。


○ 甲申事変(1884年)

日本の行動に対して、朝鮮内部では、2つの派閥が争うことになります。

親日派親清派
「日本のような新参者は無視して、長年付き合いのある清との関係を大事にすべきだ」

親日派2親日派
「いや、もはや勢いのない清でなく、明治維新を成し遂げた日本と付き合うべきだ」


そんな中起こったのが「甲申事変」というクーデター未遂事件。
親日派の金玉均(キムオクキュン)が駐留日本軍をバックに、政治を牛耳っていた閔妃(ミンピ)一族を実力で排除し、清国からの完全な独立と、近代国家への改革を目指しました。
これに対して、閔妃は清に救援を求め、すぐさまかけつけた清国軍により、少数の日本軍は敗退、クーデターは失敗に終わります。
日本は、総理大臣・伊藤博文を清に派遣し講話を図ります。

天津条約

「もし朝鮮に兵を出すときは、日本も清もお互いに連絡しようよ」
などを取り決めるのですね。


○ 甲午農民戦争(東学党の乱)(1894年)

ここから、ドラマで登場する話になってきます。
民衆の政治への不満が「東学」という民間宗教のもとで団結し、各地で組織的な民衆蜂起が起こります。
日本でいう、百姓による一向一揆が全国組織になったものだと思えばいいと思います。
しかもこの農民軍、リーダーが優れていたのか、軍規を厳正に定め、各地で政府軍を圧倒し、具体的な要求を政府に突きつけます。

乱の平定のため、清と日本、両方が軍を派遣しますが…
日本軍が朝鮮に行ってみると、すでに乱は収まっており、目の前に広がっていたのは平穏な市民生活でした。
実は、日清両国の介入に危機感を覚えた政府が、農民軍の意見を受け入れ和平が成立していたのです。



(3)カノジョ争奪戦へ


ここで日本は、決断を迫られます。
朝鮮は欲しいが、清と全面戦争になって勝てる可能性は未知数。
それに、戦争を起こしたときの、イギリスやフランスの介入がコワイ。

ここで発揮されるのが、いわゆる

陸奥外交

彼は朝鮮から兵を引き上げる交渉を清と進め、朝鮮から手を引くそぶりをみせておきながら…
その裏で、
1.もし清と戦争になった場合、勝てる見込みはあるのか?
2.イギリスとロシアが戦争に割って入ることはないのか?
を探ります。

実は、イギリス、ロシアも朝鮮をカノジョにしたいと密かに狙っていたのですが、タイミング的にこの2国が入ってくることはないと確信し、清との戦争に踏み切ります。

日本人日本
「ねえ、あの子はわがままだから、一緒に彼女を教育してあげようよ」
(清に対して、朝鮮の内政改革を共同で行おうと提案する)

清国人
「アカの他人にそんなこと言われる筋合いはないよ。お断りします!」
(宗主国としての清のプライドにかけても、日本に干渉してほしくない)

日本人日本
「じゃあ分かった。彼女の教育はオレひとりでするから」
(朝鮮の政治にあからさまに介入する行動に出る)

清国人
「そこまでするなら、腕っぷしでケリをつけよう!」


こうして、カノジョ争奪戦が始まるのです。。。




(主な参考資料)
日清戦争―東アジア近代史の転換点 (岩波新書 青版 880)
NHK高校講座・日本史「日清戦争」


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